家族に対して出来るだけのことをしたい
そう思う方は多いのではないかと思います
ただ、出来ることも出来ないこともあるのです
10年くらい前のこと
週末、私の所に遊びに来た母が
「何か胸にしこりみたいのがあって…
前も脂肪の塊みたいのあったからそれかなぁ?」と
私が確認すると…
もうそれは経験上、形状も感触もとても脂肪とは思えず、むしろ悪い予感しかしませんでした
「明日、乳腺外科に行こう。私も一緒に行くから」
私は翌日、以前勤務していた病院に連れて行きました
私が知っている中で1番信頼できる病院だからです
最初は内科に案内されそうになりました
乳腺外科はDr.も限られ、非常に混み合いますから、気持ちは分かります
でも私は
「どんなに待ってもいいので、乳腺外科にして下さい」
とゴリ押ししました
二度手間になるのは確実だと思っていましたから
当日生検までやってくれて、ステージ1の乳癌
1ヶ月後に手術する事ができました
その少し後、
内視鏡を受けた事のない母に検査を促すと
今度は食道癌が見つかって…
しかし内視鏡で切除可能な初期の食道癌でした
2つの癌を罹患しましたが
現時点で経過は良好
10年経っても再発兆候はありません
皆が私の事を
「神がかっている✨」と言ってくれました
医療従事者になった事が
初めて家族の役に立った気がしました
だけど、どうにもならない事もあります
両親の夫婦仲は
私にはコントロールしようがありませんでした
もちろん、喧嘩にならぬ様にお互いを尊重できる様に
2人に何度も話をしました
しかし、2人とも捉え方を変える事ができず
ずっと相手が悪いと思ったままでいるのです
そして母は精神的に追い詰められて
そのまま認知症になりました
仲の良い姿など見た事のない両親
父はおそらく発達障害やパーソナリティ障害がありますが、さらに今は認知症にもなりました
現時点で、できる事はやったと思いたい
しかし「神がかっている」など程遠いのです
もちろん私は神でも仏でもない
でも唯一無二の二人の娘なんです
娘として一体何ができるのでしょうか?
家族だからといって
踏み入ることの出来ないこともあります
出来ることも
出来ないこともあるのです
自分は変えられても
他人は変えられない
本当にそう思います
変えられないものに執着すれば
苦しくなる一方です
出来ることをやる
でも手放すことも必要
むしろ手放せるかどうかの方が大事
何より最期まで寄り添うために
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